働き方

コロナ禍の働き方の変化、在宅勤務を勝ち取った化学系エンジニア

ここ最近、管理人の社内でも「在宅勤務」が推奨されるようになってきています。

一方で、管理人のような製造業の化学系エンジニアは全て在宅勤務にする働き方は不可能であります。

実際、最初は上司や同僚からの「出勤するよね?」という圧力や「在宅勤務する人なんていないよね?」などと言った同調圧力が強く、在宅勤務に踏み切れずにいました。

そんな職場でしたが、現在管理人はなんとか週3回の在宅勤務を確保しています!

もし、同じような職場状況であった場合は少しでも対策案として役立てていただければと思います。

管理人の職場/前提状況

職場や前提の状況を箇条書きにすると下記の通りになります。

管理人の職場/前提状況
  • 全社員の人数は200名程度
  • 30名の部署のうち、管理人が担当しているグループは7名
  • 上司1名、グループリーダー2名(管理人はこの位置)、メンバー4名
  • 上司以外の6名はほぼフラットな立場
  • 上司は昔からの現場主義であり、第1回目の緊急事態宣言の時も毎日出社していた
  • 上司は「在宅勤務でできる業務がない時は出社すべき」と主張
  • 併せて、「出社してもやることがない場合はいるだけでいいから出社すべき」と主張
  • 上司以外の6名は可能な限り在宅勤務を実施したいと思っている
  • もちろん必要な出社は実施する

上司以外は「必要ではない出社は避けて、現場でなければできない業務のみ出社する。」という意見で固まっていました。

問題の発生

管理人の職場の場合、下記のような問題が発生していました。

・「会社の方針と上司の認識」

・「会社のシステム/制度の問題」

・「通勤手段の違いによる意識の違い」

順番に説明していきます。

会社の方針と上司の認識

1つ目の問題として、会社が出した方針を上司がしっかりと理解していなかった点が挙げられます。

この在宅勤務の推進は会社から全部署に対して出されていました。

一方で、上司をはじめ技術系の各部署の役職者は当時このようなことを思っていたそうです。

・「うちの部署には関係ない」

・「現場に行かない俺が必要ないのに、現場仕事ばかりの若手に必要なわけがない」

会社としては「従業員の安全を守るために出した在宅勤務の制度」が曲解されてしまい、「ただの一制度」として認識されてしまったということですね・・・。

会社のシステム/制度の問題

2つ目の問題として、会社のシステムと精度の問題が挙げられます。

管理人の会社での勤怠システムはカードリーダーに社員証をタッチする形式です。

この方式では在宅勤務時に出退勤の確認ができないという問題が発生しました。

すごくお粗末なお話ですが、管理人の会社では在宅勤務という制度が先行してしまい、「出退勤の確認方法をどうするのか」は制定されないまま制度がスタートしてしまいました。

また、VPNの制度なども整っていなかったため、実質在宅では業務ができない状況に陥っていました。

この問題についてはリリースが遅れていただけですぐに解消されました!

上司への在宅勤務業務の申請

さらに、管理人の勤めている会社では、在宅勤務を実施する際に上司へ「在宅で実施する業務の内容」を事前に申請するというプロセスが必要になってきます。

このプロセスが非常に厄介で、少しでも隙間時間があると見なされた場合は「こんなにかからないよね?出勤して別のことやってよ。」と言われてしまいます。

そう、不幸なことに管理人の上司は「10分あれば現場の改善業務できるよね?」という超現場主義だったのです・・・。

ある日の会話

管理人「・・・本当に会社は社員に在宅勤務を推奨させたいんですよね?」

上司「君の業務計画がしっかりしていないからだよ?8時間在宅でやる業務があるのなら認めるよ?」

通勤手段の違いによる意識の違い

3つ目の問題点として、通勤手段が違うことによる意識レベルの違いが挙げられました。

管理人の会社では在宅勤務が進まないことから社員へのアンケートが取られ、自動車通勤の方は「在宅勤務に対する意欲が低く」、電車などの公共交通機関を使用されている方は「在宅勤務に対する意欲が高い」傾向にありました。

ちなみに管理人の上司は自動車通勤であったため、当時は全く公共交通機関の状況を理解していませんでした。

解決に向けて動いたこと

これらの問題点を解決するために「管理人と在宅勤務をしたい仲間達」で実施したことについて紹介します。

会社から間接的に再周知をしてもらう

最初の頃、上司が状況を理解しておらず、管理人達が説明する余地も許してもらえませんでした。

そこで、会社からどのような意図であったのかを上司に向けて再度周知していただくようにしました。

この時、企業内のヘルプラインを初めて利用しましたが、他部署でも同様の事例が発生しているとのことでこの通報はスムーズに受け入れていただき、通報から1週間後には管理職向けの説明会が再度開催されていました。

実際に改善されたようで、社内の出勤者数は目に見えるくらいに減っていました。

管理人の部署では残念ながら全く効果がありませんでしたが・・・。

上司を在宅勤務にさせる

会社からの説明も虚しく、在宅勤務の必要性やメリットについて、上司は全く理解してくれませんでした。

そこで、上司自身にまずは2週間ほど在宅勤務を体験させ、業務に支障がでないか試してみるように仕向けました。

最初の頃は「途中で出勤してくる」、「会社の敷地内に車を停めて何かあった時にすぐ駆けつけるようにする」など暴挙に出ていた上司でしたが、4日目あたりから在宅勤務に慣れ始めたようでした。

在宅系上司の出来上がりです。

項目在宅勤務実施前の上司在宅勤務実施後の上司
会議/打ち合わせ対面でなければ話なんて伝わらない!Webでいいじゃん?資料も見やすいし。
雑談すぐにデスクに喋りにくるチャットツールでたまに投げてくる程度
申請書紙に印刷して判子でお願い!
(電子印はとっくに採用されていた)
電子印押したからよろしく!

本人も思ったより効率が良かったのか、自慢気に他部署のオジさま方に話していて、この1件で役職者の在宅勤務が促進されるようになりました。

その結果、今までは「在宅勤務なんて絶対に許可しない。」という雰囲気でしたが、「事務作業や評価計画の作成、評価結果のまとめであればいいんじゃない?」という雰囲気に変化させることができました!

妥協箇所の提案

最後にお約束ということで、どこまでが在宅勤務としてできるというリストをグループ員一同で作成し、上司ともすり合わせを実施しました。

在宅勤務を経験したにも関わらず、上司は「10分あれば改善活動ができる。可能な限り現場にはいてほしい。」とメンバーに対しては意見を曲げませんでした。

とある若手メンバーから「その10分でできる改善活動ってなんですか?10分でできるのになぜ今までやってこなかったんですか?」と指摘が入り、上司は黙り込みました。

その後も堰を切ったようにメンバーからは「家で考えて実際やる時になったら出社すればよい。」、「改善活動と社員の命どちらが大事なのか?」と様々な意見が出てきました。

その結果、「実験評価、やむを得ないメンテナンス時のみの出勤とする」という最高の結果を得ることができました。

確かに、「社員の命」と「利益に直結しない改善活動」・・・どちらが大事なのかは明白ですね。

【番外編】通勤時間帯の混雑状況の撮影

上司を在宅勤務にさせる前に、通勤時間帯の駅の混雑状況を撮影して、在宅勤務を拒否する上司に見せました。

ちなみに、見せた映像は当時、朝の通勤時間帯ではよくあるすし詰め状態の光景が広がっている映像です。

この映像を見た時上司は「本当に出勤が必要な人ってどのくらいいるんだろうな・・・」とか言っていましたが、それに乗ってきている私を見てすぐに謝っていたため罪悪感はあったのでしょうね・・・。

まとめ

管理人の職場では説得や交渉、実際に上司を在宅勤務にさせたりすることで、なんとか在宅勤務を勝ち取ることができました。

会社や他のメンバーも協力的であり、最終的に上司も良い判断をしていただいたため、環境に恵まれていたのだと思います。

一方で、環境に恵まれずに会社ぐるみで妨げようとする会社もあると思います。

月並みな言葉となりますが、少しでも違和感を感じて方向性が修正できないな。と感じたら転職という手段も検討に入れてみるのもいいかと思います。